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2025/03/16 13:20
今回は、今話題のUS ARMY ECWCS GEN3 LEVEL7ジャケット後期型について書いていきます。
その前にここでは簡単にECWCSについて振り返ります。





【ECWCSとは】
「Extended Cold Weather Clothing System」日本語に訳すと「拡張式寒冷地被服システム」となります。

1980年代にアメリカ軍で開発され、気候や気温に応じて被服を7段階にレベル分けし、それらを組み合わせることで様々な環境に対応させるレイヤリング(重ね着)システムです。
【GENとは?】
そんなECWCSの中でも、各年代によってシリーズが複数あり俗に「Gen1」「Gen2」「Gen3」などと分類されています。この「Gen」は「Generation (世代) 」を略した呼び方です。要するに「Gen1=第1世代」という意味です。
【ECWCS Generation1 第1世代の代表作】

1980年代に初めて支給が開始された第1世代のGORE-TEXパーカー。その中でも初期型と呼ばれるフードの首元が高く、フード周りにスナップボタンが付かないモデル。1981年に開発されたお馴染みのM81ウッドランドカラーが特徴的です。

US ARMY GEN1 GORE-TEXパーカーのライナーとして採用されたパイルフリースジャケット。通称ベアージャケットの愛称で兵士たちから親しまれた名作。
【ECWCS Generation2 第2世代の代表作】

2005年頃より正式採用が開始された第2世代のACU (Army Combat Uniform) のECWCS GORE-TEXジャケット。UCP(Universal Camouflage Pattern)は、ACUで最初に採用された迷彩柄。

◯U.S.Army ECWCS Gen2 Fleece Jacket
第2世代のフリースジャケット。カラーはオールブラックで本当に格好いい1着です。ボディーには高性能フリースPolartec社 Classic 300を採用。非常に肉厚で高い保温性と通気性と耐久性を兼ね備えています。
第2世代のフリースジャケット。カラーはオールブラックで本当に格好いい1着です。ボディーには高性能フリースPolartec社 Classic 300を採用。非常に肉厚で高い保温性と通気性と耐久性を兼ね備えています。
【ECWCS Generation3 第3世代の代表作】

第3世代の2008年頃より正式採用が開始されたレベル6に該当する最新のGORE-TEX PACLITEを採用した透湿性防水生地を搭載GORETEX PARKA。マルチカムの次世代モデルとして採用された、OCP(Operational Camouflage Pattern) 通称:スコーピオンW2 マルチカム。

第3世代のLevel6 GORE-TEXパンツ。ジャケットに比べ、パンツの一般市場への放出量は兵士の消耗頻度も高いため希少。年中通して様々なフィールド活躍する高性能なハードシェルパンツ。

第3世代のLevel3のフリースジャケット。ボディーには高性能フリースのPolartec社 Thermal Proを採用。サイドにはPolartec社のPower Gridを採用し、高い可動域を確保しています。速乾性にも優れておりハードなアウトドアシーンでも実用性が高いです。

第3世代のECWCS最終レイヤー最強防寒Level7ジャケットの前期型。中綿には従来のダウンよりも軽量で数倍もの保温性を持つ高機能中綿素材PRIMALOFTを採用したスペシャルハイスペックな1着。

2013年以降、広範囲に渡るテストを行い従来の中綿PRIMALOFT(プリマロフト)をさらに凌ぐと言われている、特殊部隊向けに開発を続けていた次世代の超高性能インサレーション「Climashield/クライマシールド APEX」にアップグレードされた後期型モデル。
それではここからが本題の今話題の「US ARMY ECWCS GEN3 LEVEL7ジャケット後期型 クライマシールドAPEXモデル」について書いていきます。
レベル7ジャケットは、2013年以降より米軍で広範囲に渡るテストを行い従来の中綿PRIMALOFT(プリマロフト)をさらに凌ぐと言われている、特殊部隊向けに開発を続けていた次世代の超高性能インサレーション「Climashield/クライマシールド APEX」にアップグレードを行っています。
【Climashield/クライマシールド APEX】
WILDTHINGSやARC’TERYX LEAFでの数年前から採用されています。
また、2013年以降に米軍のレベル7ジャケットの製造業者(コントラクター) 2社が国防総省のDLA(DEFENSE LOGISTICS AGENCY)と契約を結んでいます。
その2社は、Tennier Industries社とSTERLINGWEAR OF BOSTON社。
こちらについても国防総省の公式ページで公開されています。
最近、こちらの後期型クライマシールドAPEXのレベル7ジャケットの民間品が出回っている情報が出ております。
この国内で流通している民間品は「Tennier Industries社」が、実際に一般向けに販売している物となります。
見た目がそっくりな、廉価版のベリー非対応モデルは、プリマロフトやクライマシールドが不使用で非米国産という噂も海外では出てきております。
ベリー修正法:国防総省が調達する食糧や衣料品等を、米国で生産されたものに限るとする法律。
民間品と米軍実物品のレベル7ジャケットには、見分け方があります。
米軍放出品のレベル7ジャケットの元袋には国防総省DLAとの契約コントラクトナンバーと追加契約サブコントラクトナンバーが、しっかりと記載されています。

上記のラベルが実物品の本袋に貼られているラベルとなります。製造した時期を表す「LOT NO.89」の記載もあります。ここも非常に重要なポイントで実物品は、ジャケットの裏地の背中のタグ付近に元袋と一致するLOTナンバーのスタンプも入っています。LOTナンバーに関しては、製造時期により様々なナンバーが存在します。但し、必ず元袋のナンバーとジャケット裏地のスタンプが一致します。

今回は2019年度契約のコントラクトナンバーの個体をご紹介していますが、もちろん2013年、2016年度会計の個体も存在します。
NSN:8415-01-538-6289
参考ソース:https://www.iso-group.com/NSN/8415-01-538-6289
上記は、米軍が実物官給品を識別するために発行しているECWCS GEN3 LEVEL7ジャケットMEDIUM REGULARのナショナルストックナンバーとなります。こちらは、旧型のプリマロフトモデルでもサイズ別でナンバーは異なりますが、後期型と同じNSNが割り振られています。
現行の米軍実物品はメインコントラクトナンバーと追加契約のサブコントラクターが割り振られています。
こちらの個体は2019年度会計ですが、追加契約で2020年7月まで延長されて製造されたことがデータベースで確認できます。
また、元袋の左下に「07/20」と表記があることから「07月/2020年」と表記があります。
Contract:SPE1C1-19-D-1155 (2019年会計年度契約)
Subcontract:SPE1C120F1806 (2019年12月〜2020年7月までの追加契約品)
Lot No . 89
ジッパー:YKK VISLON
前期型がADSやIDEALの刻印が入ったジッパーでしたが、後期型はYKK VISLONを採用しています。



また、タグの右上に「◆」のマークがあります。このマークについて、巷では民間品を表すマークとの噂が飛び交いましたが、こちらは2019年度会計の実物品にも「◆」のマークが入っている事を、Tennier Industries社と米軍関係者から確認を取っております。
他のTennier Industries社製の実物品にも「■・●・▲・★」などが存在する様です。
これは、工場でスタッフがアイテムを一瞬で区別するためにTennier Industries社独自で付けている様です。
但し、現在国内で流通する民間品の2019年度レベル7ジャケットにも「◆」マークは付いています。
そのため、「◆」マークのみでは区別は付きません。
2016年度会計には「◆」マークは付きません。
当店でも2016年度会計の後期型レベル7ジャケットが200着ほど入荷しましたが確認が取れております。

2016年度会計も、民間品と実物品を見分ける方法は元袋とLOTナンバーのステンシルとなります。


さらにもう一つ重要な実物品と民間品の見分け方が存在します。
それは、元袋のラベルです。民間品にはコントラクトナンバーやサブコントラクトナンバーやLOTナンバーの表記は無く、QRコードのラベルが貼られています。

そのため、Tennier Industries社が一般向けしている民間品レベル7ジャケットには「QRコード」のラベルのみが付いている点も簡単に見分ける方法です。
とても複雑で困惑する現代の実物ミリタリーアイテムの見分け方ですが、この他にも以前に前期型では巧妙なコピー品や偽物が多く出回った経緯があります。ご購入の際は、情報収集や慎重なお店選びが必須だと思います。
今回の情報をまとめたYouTube動画もご用意しております。
こちらも合わせてご確認頂ければ当店の後期型レベル7ジャケットが軍放出品であることが明確におわかり頂けると思います。
もともとは防衛や軍事のために作られた軍服ですが、当店はミリタリーウェアを通してお客様を幸せにすることが役目だと考えております。
今後もポジティブに日本のミリタリー業界を盛り上げていきたいと思っております。
その他にも関連動画を多数YouTubeで公開しております。
合わせてご覧いただけますと嬉しいです。
今回、ご紹介させていただいたアメリカ軍実物の後期型レベル7ジャケットは当店FAR EAST SIGNALで販売中です!
ご興味あれば是非チェックをお願いいたします。
もちろんですが、米軍放出品の実物となりますのでご安心ください!